いろいろやりたい事がある。
やりたい事がありすぎて、
自分はいったい何がやりたいのかわからない。
一見矛盾している。
が、なにもおかしなところはない。
事実だ。
例えば子供の頃、戦闘機のパイロットになりたかったとする。
本気でなりたいと思っていた。
しかし大人になり物の分別がつくようになると、
それは戦争の道具であり人を殺し物を破壊する種類の人だと考えるようになり、
自分のなりたいものリストから削除される。
そしてなりたいものリストの二番目に書いてあった物が繰り上げ一位になる。
別の例えでいうなら、
読書が大好きなパン屋さんがいたとする。
彼の焼くパンはとてもおいしくて評判だ。
だが1つ残念な事があり、彼の店には置いてあるパンの種類が少なかった。
もう少し豊富な種類があれば…と客は口々に言う。
新しいパンを焼くために、
パンに合う食材、合わせたい食材、
その食材にあうパン生地、ちょうど良い焼き加減、
おいしそうに見えるフォルム、オリジナリティの出し方、
そういった物を研究するために時間と労力を費やそう、
などとは彼は思わなかった。
したくなかった。
そんな時間と労力があればそれをすべて読書に傾けたいと、
彼は純粋に思っていた。
ミステリーを読み謎解きに胸を高ぶらせたり、
十字軍の歴史群像を夜中に集中して読む事にエネルギーを使いたいと彼は思っていた。
だが彼は今日もパンを焼く。
彼のパンを楽しみにしている人がいるからだ。
つまり論点はこうだ。
自分はいったい何がやりたいのか。
求められてやっている事が多すぎやしないか。
それは本当に自分から求めてやっていることなのか。
求められている事をやらなかったらどうなるのか。
それはいけないことなのか。
本当にやりたい事だけをやったらどうなるのか。
それはいけないことなのか。
いけないことってなんなのか。
いけないってなんなのか。
誰がいけないと判断するのか。
判断の根拠はなんなのか。
その考えは、誰の受け売りなのか。
本当に良い考えだと思っているのか。
子供の頃に植え付けられたイメージで動いていないか。
社会通念の大地に足を踏みしめていないか。
レストランのテーブルの上からコップを落とす事のどこに問題があるのかを、
誰か私に説明してほしい。
1つ断っておくが、
私は病んではいない。
迷っているのだ。
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