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ざっきの「初めに言葉があった」

〜日々想うことをツラツラと〜

   

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斯くのごとくして、然るべきなり。

毎年この時期になると私がバイトで手伝いをしている大学のバイオ実験センターで、学生を対象にした実験の実習が行われているそうです。
選択科目のようで、今年はたった1人の学生さんしか来ませんでした。

そのせいなのかもしれません。
なぜか私も参加させられてしまっているのです( ̄▽ ̄;)
期間にして十日間!
な、なげぇ…(゜o゜;)

でもこれも練習です!
だって私にはまだ手伝える程の実験技術がないのですから。
将棋で言えば「歩」すら勤まらないレベルです。
いくら学生の時に実験に明け暮れたとはいえそれは物理実験です。
バイオの実験とは異なります。
もちろん共通の部分もありますけどさ。
とにかく早く身に付けなければバイトとしてお給料を貰う訳にはいかぬ。
そう思い、「あ、はい。いいッスよ」と快諾したのでした。


かくして学生実験が始まった訳ですが、その題材が衝撃の「早老症」。
ズバリ、早老症の一種であるワーナー症候群(一般的にはウェルナー症候群と呼ばれているらしいが、今回、担当の先生は英語発音を採用した。普通は報告者がドイツ人だからドイツ発音するらしい。でもそれでもヴェルナーじゃないの?って思うが…)患者の血清をプロテオーム解析するというもの。
非常に貴重なサンプルなので、学生実験でこういうことができるのはめずらしいと先生は言っていました。
どうやら、解析を依頼した某医大の先生が学生実験で使うことを特別に許可してくれたそうです。
これで何かエラい発見があれば、世界的にも例がないんじゃない?ってレベルだと説明を受け、私はマジでぇ〜!っとテンション上がりまくりでした★
そういうのに弱いんですよ私は(笑)

そんな感じの話を聞きながら実験の該略説明が進んでいき、
「ではこの英文の論文資料を見て下さい」
と先生が言いました。
私たちは必要な資料を最初にもらっていました。
私はそいつを紙束の下から引っ張り出してギョッとしました。

写真が載っていたのです。
もちろん患者さんの写真です。
私はそこに写っている人物を既に知っていました。
アシュリーちゃんです。
アンビリーバボーの番組で何回か見たことがありました。
彼女はワーナー症候群ではなく、同じ早老症の1つであるハッチンソン・ギルフォード症候群の例として掲載されていました(彼女はプロジェリア症候群と紹介されていることもあるが、この論文では前者として載っていた。どちらも症状はほとんど同じだ)。
さらにページをめくりました。
今度は別の、アジア系の少女の写真がワーナー症候群の例として載っていました。
ワーナー症候群とハッチンソン・ギルフォード症候群との主な違いは、ワーナー症候群が思春期後に発症するのに対して、
ハッチンソン・ギルフォード症候群は生後間もなくの幼少期に発症する点らしいです。
なもんで、ワーナー症候群の少女の写真は病気が発症する前と発症後の写真が横に並べられて載っていました。
健常者だったころの17才ごろの写真は元気な、夢見る少女の写真です。
しかし、その横には80才を超えていそうな老婆の写真がありました。
説明では、それは彼女が40才頃の写真だそうです。
全く生気の感じられない表情でした。
ワーナー症候群患者の平均寿命は50才ぐらいだと言っていたので、写真の彼女はまさに死を目前にしていたのです。
アシュリーちゃんのハッチンソン・ギルフォード症候群にいたっては10才ちょっとが平均寿命です。

なぜですか??

そう思わずにはいられません。
この実験の説明を聞いてテンションが上がっていた自分が恥ずかしくなりました。
誰だ笑っているのは?
これは病気のメカニズムを解明する為の実験なのです。
治療法を探す為の実験なのです。
物理の実験とは異なるのです。

神様なぜですか?

なぜこんな病気を作ったのですか?
人は成長する為に生まれるのに、彼らは老い衰える為に生きるのです。
人生に何を求めろと仰られているのでしょうか?



今回私たちが解析させてもらっているサンプルは日本人の患者さんのものです。
ワーナー症候群と診断されている人のうち約80%が日本人だそうです。
うそでしょ!?
驚異的な数字です。
狙っているとしか思えません。
日本に1000人ぐらいの患者さんがおられるんです。
実は診断されていないだけでもうちょっと世界各地に分散しているのかもしれませんが、少なくとも現段階ではそうなのです。
しかも原因は遺伝子。
最近わかったそうです。
日本人の祖先はいったい何をやったのだ?

世界には多くの病気が存在しています。
知っている病気よりも知らない病気の方が多い。
そして、その病に苦しんでいる人は半端じゃなくたくさんいる。
毎日の様に病気の名前を耳にする毎日…そんな日々の中でつくづく思います。

なぜ私は健康なんだろう?
それが不思議でならない。
なぜ私は歩けるんだろう?
それが不思議でならない。
なぜ私は声を出せるんだろう?
それが不思議でならない。
そんなの考えてたらキリがない。
それが不思議でならない。

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