この日、私はいつものように、スタンドでバイトをしていました。
行き交う車、すべていつものようです。
給油を終えたお客さんの車を送り出して、
歩道からスタンド構内へ戻ってきた時、
構内に流れているラジオ番組の音が耳の中にスッと入ってきました。
ジョン・レノンのあの歌です。
小走りだった足もいつの間にかに止まっていました。
しかしまたすぐに動き出しました。
私は思い出していました。
数年前、ラジオから流れてきたこの歌を聞いた時に感じた気持ちを。
この歌はとても不思議な歌で、
自分の家でCDをラジカセにかけて聞くよりも、
ラジオから不意に聴こえるのを立ち止まって聞く方が、
遥かに心の薄っぺらい部分に響いてくるのです。
この日、世界の夜空に輝いたものは、
多くの人々のこの気持ちだったに違いありません。
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